目次
バイク教習行ってきました
最近は密を避けられる趣味として自転車やバイクが流行っているそうですね。
僕も前々からバイクに興味はあったのですが、東京都心部に長らく住んでいたことと、お金がないことで結局免許すら取らず終いでした。
ですが今になって田舎に移り住んだこと、残業だらけでお金を使う時間もないことでバイクに対する障害が無くなってしまいました。
しかもバイクが流行っている(=初心者がいっぱい増える)と言うならと思い、思い切って挑戦することにしました。
下手に平日を挟むと仕事に忙殺されるので、お盆休みを全て費やして取得しました。
この記事はバイク乗りになるなら誰しもが通る道、教習所への入校から卒業までの記録です。
これからバイク免許を取得するために教習所へ通おうとする人の参考になれば嬉しいです。
ちなみに僕のスペックをば
・ギリ20代のアラサー男
・免許は4輪AT限定だけ
・自転車は問題なく乗れる(ママチャリしか乗ったことないけど)
・身長165cm 教習車はかかとがギリつかないくらい
・バイク?ニンジャってのが人気なんだろ?くらいの知識
0時限目 入校手続き
7月某日
深夜の残業中に変なテンションになりスマホから入校を申し込む。
近くにいた先輩に「バイクの教習をたった今申し込んだんスよwww」とか言って訝しげな顔をされる。
他のバイク乗りの先輩には「良いじゃんwww」とか茶化される。
別にいいでしょ。
上司にも聞かれたらしく、「怪我だけはやめろマジで。今人手不足なんだから。」と念押しされる。
翌日返ってきた申し込みの返信メールには「ただいま二輪教習は大変混み合っています。3ヶ月ほど待ち時間ができる可能性があります。」と。ガン萎え。
その週末にお金だけ支払いに教習所へ行くと、「じゃあ再来週から教習なんで」と。
えぇ、待ち時間ゼロやん。
1〜2時限目 バイクに初めてまたがる
最初の教官が歳の近い優しい人で本当に良かった。
バイクの教官といえばスパルタで乱暴というイメージがあったので...
バイクの点検からスタンドの外し方、乗り方、運転姿勢をレクチャーしてもらって早速走り出す。
ここでAT限定の弱点が露呈。半クラが分からない。
右手でアクセルを軽く捻りながら左手で半クラをキープ。
うーん、できない。
エンスト(エンジンストール:エンジンが止まっちゃうこと)ばっかりで発進できない。
これは苦労しそうだ...
それでも、何とかそこを越えれば走れるように。
2速3速とギアチェンジをしてバイクで走ってる。
これは...気持ちいい。
気温36℃とかどうでもよくなる気持ち良さ。
あまりにも楽しくて教習の2時間が5分くらいに感じました。
まだまだ乗っていたいな。まだ降りたくないな。
3〜4時限目 早くも補習?
1時間を費やし発進練習。
発進時に右手のスロットルをどのくらい捻るとか分からないし、ちょっと捻りすぎてエンジンの音にいちいちビビる。
スロットルをひねる
→エンジンがでっかい音を出す
→ビビってスロットル戻しちゃう
→その状態で半クラしようとするからエンストする...
今考えればうるさいくらいにスロットルをひねった方がエンストしなくて済むんですけどね。
そんな状態なので「このままだと補習(教習を余計に受けること)だよ」と言われるが、出来ないものは仕方ないです。
ここから本格的に教習が始まったので、指摘事項もいっぱい。
□発進時に手元を見ている(エンジン回転数を見ちゃう)
→公道ではこれやると前の車にぶつかるからダメ
□ハンドルの握り方がおかしい
→力を抜いて、ドアノブを握るように
□走っているときに上半身に力が入っている
→バイクは太もも〜ひざでしがみつく(ニーグリップする)もの
□安全靴はおすすめしない
→シフトペダル(左足でギアチェンジするレバー)の感覚が伝わってこない
5時限目 AT教習
この日は雷が近かったので1時間だけ。
いわゆるビッグスクーターのお試し乗車。
いやー、ATは楽ですね。
まさに走るソファ。
ビッグスクーターってヤンキーのあんちゃんが乗っているイメージが強くて敬遠していたんですが、これは楽でいいですね。
エンストはないし、半クラもない。
「もうこれでいいじゃん」という気持ちを抑えてMT車に気持ちを向けます。
ついでに教習の遅れを取り戻すためにそのまま急制動と一本橋へ。
急制動は速度の恐怖との戦い。
けどビビらなければ大丈夫。
4輪の教習でも思ったんですが、教習所の40km/hって何であんなに早く感じるんでしょう。
一本橋は5、6回やって1回も渡りきれませんでした。
そのときは「やっぱり一本橋って難しいんだなー」と思っていましたが、ビッグスクーターで一本橋ってのはザコには無理なんですね。後々理解しました。
6〜7時限目 残りの課題と卒検コース紹介
S字、クランク、坂道発進、スラロームを一通りやってみる。
S字が難しくも何ともなかったのでクランクも大丈夫だろうと思ったら全然難易度が違う。
クラッチの操作がなかなかシビア。
曲がる直前にクラッチを切り、前輪が曲がり終わるちょっとだけ手前でクラッチを繋ぐ。
うへあ。難しい
坂道発進もエンスト。
うるさいの我慢していっぱいエンジン回さないとダメですね。
スラロームに至ってはパイロンにぶち当たって派手に吹っ飛ぶ始末。
また指摘をいっぱいもらう。
□ニーグリップが甘い
→バイクと一体になるために絶対欠かせない
□グリップを強く握りすぎ
→生卵を包むように握ること
8〜9時限目 1段階見きわめ
引き続き卒検コースばっかり走る。
一応はコースを覚えてきたので僕が教官を先導して走る。
今回は教官がスパルタ系の人で怖かった。
お手本を見せてくれる人ではありましたが、若干乱暴で根性論の入った人でした。
「何で出来ねぇんだよ」「同じこと何度も言わせんな」言われても感覚が掴めてないんだから出来ないよ。
しかしここで変に反発するのはオトナじゃない。
心の中で「俺の方が絶対年収高いんだぞ」とみみっちい虚勢を張って怒りを押さえる。
しかしもってバイク技術は上達していない。
今だにエンストするし、低速走行はふらつくし、目線は近いし、ニーグリップは甘い。
非常にマズい。
でも1段階見きわめが通ってしまいました。
大丈夫かココ...
10〜11時限目 2段階スタート
ここから2段階。
まずはシミュレータで公道運転の勉強。
おばあちゃんの自転車ミサイル、タクシーのべったり煽り、横風でスリップ等を擬似体験。
PoVって言うんですか? こう言うの、酔いますね。すごく。
カーブするたびに頭がぐらぐらして吐きそうになります。
「酔ったら勝手にやめていいからね」と言われていたので10分くらいやって限界宣言しました。
これは1時間みっちりやったら吐くか立てなくなる。
教官がずっと「シュミレーション」って言ってたのが気になって仕方なかったのですが、シミュレータの置いてある部屋に『シュミレーション室』って書いてありました。なるほど(?)。
12〜13時限目 卒検の練習
引き続き僕が教官を先導して走る練習。
今日は調子が良く、クランクも急制動も完璧。
指摘もあるにはあった。
□急制動はフロントブレーキを強めに
→リアブレーキはあくまで補助でしかない
□キープレフトができてない
→卒検ではものすごく見られるポイントだから覚えること
□ウインカー消し忘れ多い
→公道でやったら恥ずかしい
14〜16時限目 卒検の練習
学科、高度バランス(バイクを蹴られるので踏ん張る、ダートで立ち乗り、一本橋30秒チャレンジとか)、コース走行の3連チャン。
教官は淡々と指摘するだけタイプの人でした。
そしていちいち言葉がキツいのが刺さるなぁ。
「中途半端に走られるの困るんだよね」「ここまで来てんのにまだ出来てないワケ?」
「くそー」と内心毒づきながら教官について行きます。
そしてここに来て自分の中に湧き出る感情と向き合うことにしました。
バイク教習楽しくないな...
教習が始まったときはあんなに楽しかったのになぁ。
高いお金を払って、せっかくの長期連休を全て潰して毎日怒られるのが嫌になってきました。
僕は小さい頃から物事の要領が悪く、似たようなことをいっぱい経験してるので別にいいんですけど、久々にこの感覚を味わいました。
いや、頭では「教官が厳しいのは僕がバイクで事故死しないためだから」と理解はしているんですよ。
その上でモチベーションが下がってきたって話です。
バイクで走り出す瞬間は最高に気持ちが良いのでとりあえず免許だけでも取ろう。
17〜18時限目 最後の教習
1日空いてまた教習。
その休みの1日はとにかく全身が疲労でバキバキでした。
連日慣れないバイクに乗っていつの間にか体力を使っていたんでしょう。
ひたすら卒検合格を目指す最後の教習。
ここまで来たらもう細かいこと気にせずコースを走り切るのみ。
とは言っても現状では合格ラインギリギリなので直せるところは直す。
□発進時ウインカー忘れ
□坂道発進時半クラが短くて急発進
□クランクに入る前のウインカー忘れ
□一本橋前の安全確認
細かいことですが、減点されがちポイントなので意識しておく。
そして卒検の作戦を立てる。
・一本橋はタイム無視。ブレーキもクラッチも使わずアイドリングで行っちゃう。
・スラロームは2速のアイドリングだけで行く。
・クランク、S字はちょっとでもダメそうなら足をついてバランスを立て直す
・エンストしたら2速発進を疑い、回転数を目一杯上げる(思い切って7000とか)
教習が終わり次第即卒検の申し込みへ。
翌日になりました。
卒検
朝7時半に集合。眠い。
しかも大雨。
急制動が怖いなぁ。人によっては雨の方が簡単と言いますけど。
集合後、軽い説明があり、教官からの激励が。
「正直、2段階の見きわめが通っている時点で皆さんの技術は疑っていません。怪我せず最後まで走り抜いてくれれば後はこちらで何とかします。」
ホントか冗談か分かりませんが、プレッシャーが軽減されました。
自分は4人組の3番目でした。
他の組を見ても白髪混じりのおじさんがほとんどで、後はヤンキーっぽい高校生が1人。
自分の番が来るまで暇だったので走ってる人の応援してました。
コースの路端で「がんばれー」とか声かけてました。スポーツ観戦の気分。
そして自分の番。
僕は緊張しない人間だと自分では思っていたのですが、今回ばかりは緊張しすぎて走行中の記憶がほぼありません。
「コースを間違えたら止めてくれるでしょ」くらいの気分だったので、いつまで経ってもストップが入らないのが不安でした。
急制動の後OK/NGサインが出るまで待つのですが、そこで何かしら注意されると思って待ってました。アホやん。
で、自分でも不思議ですが、合格しました。
案の定、急制動の後の謎の間を注意されました。
「何を待ってたの?」
ヘルメットが曇ったとか変な言い訳してごまかしました。恥ずかしい。
振り返り
正直、ストレートで卒業なんて思ってもみませんでした。
もうちょっと卒検で沼にハマると思ってました。
とあるバイク漫画で「教習所は免許を『売る』場所だ」なんて揶揄されてましたが、まさか実感するとは。
これからバイクに乗るかは未定。乗る方向で考えてはいるけど。
教官の指導は楽しくなかったけど、バイクに乗っている間はすごく楽しかったから。
教習車のHONDAのCB400FOUR(通称スーフォア)とかすごく良かったなぁ。
ちなみに教習全体を通して転倒は2回で済みました。
1回目はスラロームでパイロンと激突。股間を強打して悶絶。
2回目は縁石に乗り上げて。怪我なし。
そして2回とも転倒の直前にキルスイッチを切ったことを忘れ、引き起こし後に乗ろうとして「エンジンかからないよー」をやりました。鳥頭か。
バイクに興味ある人へ
教習所に行けば中古の原チャリよりも安い金額で20時間近くバイクの試乗ができると考えれば悪くない経験だったと思います。
本格的なバイクに興味があるならとりあえず教習所に行ってみるってモンですね。
飽きたり、思ってたのと違かったら辞めれば良いだけ。
今は教習所も二輪教習の申し込みがいっぱい来てるらしい(教官が言ってた)ので、今なら他の初心者と一緒に教習を受けられるでしょうし。
僕の通った教習所は完全なマンツーマンだったので他の教習生との交流はありませんでしたけど...
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