田舎に就職するのはオススメしない理由を語らせてくれ




田舎に就職してちょっとだけ後悔しています

就活で勤務地を選り好みせずにあちこち受けて回った結果、都内の企業にはことごとく落ち、唯一内定をくれたのが地方にある大手メーカーでした。


地方とはいえ、一応はシェア○位とか謳っているくらいだし、いいとこに就職できたぞラッキーと思って就活を終わりにしました。

田舎だしのんびりしてそう、物価が安くて暮らしやすそう、嫌になれば転職できるでしょ...などと甘い気持ちでいました。


それから何年が経ったか。

心境の変化が大きいので思うことを書いていきます。


就活生の参考になるかは知りません。


ちなみに僕の就活時のスペックをば。

□都内私立大の物理系大学院生

□学部2年生の頃に色々事情があって留年

□留学とかインターンとかそういう意識高い事は一切なし



「田舎はのんびり」は幻想だ

田舎だし、そんなに残業とかないでしょー。

でもそれだとあんまりお金稼げないよなー、困っちゃうなー。

というのが入社当初のイメージでした。


現実は甘くなかった。


配属初日、上司と簡単におしゃべりするのですが、そこで上司がまず一言。

上司「ここはいつも誰かしらが倒れてて会社に来てないからねーはははー」

上司「ま、君は若いから大丈夫でしょー」


え?倒れるって何?

うつ?過労?えぇ?


びびりつつも実際に働きだすとまぁ確かに結構なブラック。

労働基準法では年間残業は720時間を上限にしているのですが、それを超えると残業はつけられません。

つまりサービス残業。


逆に言えば年間720時間まで残業代が出るので賃金は悪くないと言えばその通りなのですが...


労働基準監督署もなあなあで済ませているんでしょうね。



働き方の価値観が想像以上に古い

もう令和になって何年も経つのに昭和の働き方が強く根付いています。

いわゆる『できるできないじゃない、やるんだよ』という風潮がとても強いです。


出来るようになるための基礎的な技術開発という概念はほぼありません。

現場の職人の『頑張り』が全てです。


さらに職人の絶妙な肌感覚で製品が作られているので技術継承は『見て覚えろ』のみ。

一応は世界中に展開してる企業なんだし、最新で最高の技術を保有して、社員はそれを活用してるんだろうなと勝手に思っていました。


僕の想像ですが、田舎にいるせいで外部との交流がなく、最新の技術や知識を取り入れる機会がほぼないのが原因じゃないかと思っています。

僕も上司に「この研修に行かせてください!これができれば技術が一気に底上げできるはずです!」と抜かしていますが、東京まですごく移動時間がかかるせいで却下されます。


個人的に「この前時代的な会社で技術革新を起こしてやろう」という気持ちがあって、それがなんとか僕のモチベーションになっています。


ちなみに、1年目は名前で呼ばれませんでした。

『おい新人!休んでんじゃねぇ!』

みたいな。



仕事以外でも、どこか古臭い。


もう30歳にもなろうかというのに結婚していない僕はかなり地位が低いです。

何かにつけて笑われたりします。

僕は気にしないのでいいんですけど。



田舎は監視社会だ

休日に誰とどこにいた、何の車に乗っててナンバーはいくつ、そんな情報が話してもいないのに全部筒抜けです。

田舎ゆえの出掛け先が数えるほどしかないのに由来しているのでしょう。

婚活でマッチングアプリをやっている先輩が、「会社の人としかマッチングしない」と嘆いていました。

だからか知りませんが、新卒で入った人は社内婚多いです。


下ネタで恐縮ですが、先輩が風俗に行ったら会社の人が出てきたと言っていて本当に笑いました。


あと乗っている車なんかかなり気にされます。

田舎なので車・バイク好きが多いせいもあるんでしょうけど、先輩やリーダーより良い車に乗ると嫌味を言われます。

上司が軽に乗っているところではメンバー全員が軽に乗ったり。

僕は原付なので最強です。


逆に誰がいつ有給を取ってどこに行ったみたいなどうでもいい情報も入ってきます。いらん。




物価は高いが賃金は安い

農村なので質の高い野菜が安いんだろうとか勝手に思っていました。

値段は東京と大して変わりません。

質は東京の方がはるかに良かったなぁ。


東京以外の都市部から来た人も同じことを言っていました。

『福岡の方が食べ物美味しかったなぁ』

『(地元の)名古屋ってご飯美味しかったんだ』


家賃もそんなに安くないです。

強烈な田舎にいけば一軒家が月3万円とかありますが、勤め先まで車で1時間とかかかります。

しかし勤め先の近くでは8畳ワンルーム月7万円。

東京とそこまで変わらないです。


でも賃金は安いです。

今住んでいる地方では屈指の高給です。

しかし首都圏にあるライバル社にはことごとく負けています。

四季報の平均給与で100万円ほど。




転職しにくくなる

僕はこれが田舎就職の一番のデメリットだと思ってます。

近くに転職先なんてないので滅多に使えない有給を使って面接やら行く羽目になります。


その気になれば転職なんて全然できるのですが、必要な労力がとにかく大きい。


最近はオンライン面接とかあるのでまだマシになってきているのでしょうが、結局会社の雰囲気を知るのに一番良いのは実際に訪問してみることです。


僕は都市部に赴任していた時期に転職活動しまくりました。

上手くいかずにあれこれしているうちに田舎に戻されてしまいましたが。




田舎育ちで田舎好きの地元民なら問題なし

散々に文句を言いましたが、その地方が好きとか、慣れてる人にはかなり良いと思います。

その土地の友人も多いでしょうし。


僕も地元はかなりの田舎なので田舎そのものには慣れっこですが、地方が変われば雰囲気も違うもので。


地方への就職先はその土地の雰囲気も吟味して欲しいという話でした。



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